肌トラブルの赤みの原因と対策!症状別の改善方法について

肌トラブル

顔の赤みが気になるとき、その背景にはさまざまな肌トラブルが隠れている可能性があります。

肌トラブルによる赤みは、炎症や血管の拡張、敏感肌など複数の要因によって引き起こされ、一時的なものから慢性的に続くものまで症状の現れ方も異なります。

鏡を見たときに頬や鼻が赤くなっている、洗顔後に顔全体がほてったように赤い、特定の化粧品を使うと赤みが出るといった経験をお持ちの方は少なくないでしょう。

本記事では、肌トラブルで赤みが出る原因とその種類、そして症状に応じた対策方法について詳しく解説していきます。

肌トラブルで赤みが出る主な原因

肌トラブルで赤みが出る主な原因には、炎症反応、血管の拡張、肌のバリア機能低下、アレルギー反応などがあり、これらが単独あるいは複合的に作用して症状として現れます。

炎症反応は、肌トラブルによる赤みの最も代表的な原因です。ニキビや吹き出物ができたとき、肌が外部刺激を受けたとき、傷ついた肌を修復しようとするときなどに、体の防御反応として炎症が起こります。この炎症によって患部に血液が集まり、赤く見えるようになります。炎症が強いほど赤みも濃くなる傾向があります。

血管の拡張も赤みの重要な原因です。気温の変化、辛い食べ物やアルコールの摂取、入浴後、運動後などに顔が赤くなるのは、血管が広がって血流が増えるためです。通常は一時的なものですが、毛細血管が拡張したまま元に戻りにくくなると、慢性的な赤みとして残ることがあります。

肌のバリア機能が低下すると、外部刺激に対して敏感になり、赤みが出やすくなります。バリア機能は肌の水分を保ち、刺激物質の侵入を防ぐ役割を担っていますが、乾燥や過度なスキンケア、紫外線ダメージなどによって機能が弱まると、わずかな刺激でも赤みやヒリヒリ感が生じやすい状態になります。

アレルギー反応による赤みも見逃せません。特定の化粧品成分、花粉、ハウスダストなどに対して肌が過剰に反応すると、赤みやかゆみを伴う肌トラブルが発生します。接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎なども、アレルギー関連の赤みを引き起こす要因です。

ホルモンバランスの変化も赤みに影響を与えることがあります。生理前や妊娠中、更年期などにホルモンバランスが乱れると、肌が敏感になり赤みが出やすくなる傾向があります。

摩擦による物理的刺激も原因の一つです。洗顔時にゴシゴシこする、タオルで強く拭く、マスクとの摩擦などが積み重なると、肌が刺激を受けて赤みを帯びることがあります。

このように、肌トラブルで赤みが出る原因は炎症反応、血管拡張、バリア機能低下、アレルギー反応、ホルモンバランスの変化、物理的刺激など多岐にわたり、それぞれが相互に関連しながら赤みという症状を引き起こします。

次は、赤みを伴う肌トラブルの具体的な種類について見ていきましょう。

赤みを伴う肌トラブルの種類

赤みを伴う肌トラブルの種類には、ニキビや吹き出物による赤み、乾燥による赤み、敏感肌の赤み、酒さなどがあり、それぞれ症状の特徴や持続期間が異なります。

ニキビや吹き出物による赤みは、毛穴に炎症が起きている状態です。赤ニキビと呼ばれる炎症性のニキビでは、患部が赤く腫れ上がり、触ると痛みを感じることもあります。ニキビが治った後も、炎症の跡として赤みが残るケースがあり、これはニキビ跡の赤みと呼ばれます。この種類の赤みは数週間から数か月続くこともあります。

乾燥による赤みは、肌の水分不足とバリア機能の低下が原因です。頬や口周りなど、特に乾燥しやすい部分に現れやすく、カサつきやつっぱり感を伴うことが多い特徴があります。空気が乾燥する冬場や、エアコンの効いた室内で過ごすことが多い方に見られやすい肌トラブルです。

敏感肌による赤みは、わずかな刺激にも反応して赤くなる状態です。化粧品を変えたとき、気温の変化、ストレス、睡眠不足などさまざまな要因で赤みが出やすくなります。ヒリヒリ感やかゆみを伴うこともあり、肌のバリア機能が慢性的に低下していることが多い肌トラブルです。

酒さは、主に頬や鼻に慢性的な赤みが現れる肌トラブルです。毛細血管が拡張して赤みが持続し、ほてり感を伴うことがあります。症状が進むと、赤みだけでなく吹き出物のようなブツブツが出ることもあります。30代以降の方に多く見られ、アルコールや辛い食べ物、温度変化などで悪化しやすい傾向があります。

接触性皮膚炎による赤みは、特定の物質に触れることで起こる肌トラブルです。化粧品、金属、植物など、原因となる物質は人によって異なります。触れた部分に赤み、かゆみ、時には水ぶくれが生じ、原因物質を避けることで改善する特徴があります。

日焼けによる赤みは、紫外線による炎症です。日光を浴びた数時間後から現れ、ヒリヒリとした痛みを伴うことが多い肌トラブルです。通常は数日で治まりますが、繰り返すと慢性的な赤みやシミの原因になることもあります。

脂漏性皮膚炎による赤みは、皮脂の分泌が多い部分に起こる肌トラブルです。鼻の周りや眉間、髪の生え際などに赤みとともにかさぶた状のフケのようなものが出ることがあります。

赤みを伴う肌トラブルは、ニキビによる炎症性の赤み、乾燥によるバリア機能低下の赤み、敏感肌の刺激反応による赤み、酒さの毛細血管拡張による赤みなど、種類によって原因と症状の特徴が異なるため、適切な対処法を選ぶには種類の見極めが重要です。

次に、赤みが出やすいタイミングと状況について解説します。

赤みが出やすいタイミングと状況

肌トラブルの赤みは、季節の変わり目、気温や湿度の変化、生活習慣の乱れ、特定のスキンケアや化粧品の使用時など、さまざまなタイミングや状況で出やすくなります。

季節による影響は大きく、特に季節の変わり目は赤みが出やすい時期です。春は花粉や黄砂による刺激、気温の上昇による皮脂分泌の変化などで肌トラブルが起こりやすくなります。夏は強い紫外線による炎症、汗による刺激、エアコンによる乾燥が赤みの原因となります。秋は夏のダメージが表面化しやすく、湿度の低下で乾燥による赤みが増えます。冬は空気の乾燥と寒暖差によって、頬や鼻先が赤くなりやすい傾向があります。

気温の急激な変化も赤みを引き起こします。寒い屋外から暖かい室内に入ったとき、熱い飲み物を飲んだとき、入浴後などに顔が赤くなるのは、血管が急激に拡張するためです。このような一時的な赤みは通常すぐに治まりますが、繰り返すと毛細血管が拡張したままになり、慢性的な赤みにつながることがあります。

生活習慣も赤みに大きく影響します。睡眠不足が続くと肌のバリア機能が低下し、赤みやすい敏感な状態になります。ストレスが溜まると自律神経のバランスが崩れ、血管の収縮・拡張がうまくコントロールできなくなり、赤みが出やすくなります。食生活では、辛い食べ物やアルコール、熱い食べ物などが血管を拡張させ、一時的に赤みを強めることがあります。

スキンケアや化粧品が原因となるケースも少なくありません。新しい化粧品を使い始めたとき、肌に合わない成分が含まれていると赤みやかゆみといった肌トラブルが現れることがあります。また、過度な洗顔やピーリング、スクラブなど、刺激の強いケアを行うと肌のバリア機能が傷つき、赤みが出やすくなります。

洗顔時の水温も重要な要因です。熱すぎるお湯で洗顔すると、必要な皮脂まで奪われて乾燥を招き、赤みの原因になります。逆に冷たすぎる水も刺激となることがあります。

マスクの長時間着用による摩擦や蒸れも、現代的な赤みの原因となっています。マスクと肌がこすれる部分や、マスク内の湿気と外気の乾燥による急激な環境変化が、肌トラブルを引き起こします。

ホルモンバランスの変動する時期も赤みが出やすくなります。生理前や妊娠中、更年期などは肌が敏感になり、普段は問題ない刺激でも赤みとして反応しやすくなる傾向があります。

運動後や緊張した場面でも、血流が増加して一時的に赤みが出ることがあります。これは自然な生理現象ですが、慢性的な赤みがある方は、より強く症状が現れることがあります。

肌トラブルの赤みが出やすいタイミングは、季節の変わり目や気温変化、睡眠不足やストレスなどの生活習慣の乱れ、スキンケアや化粧品の刺激、マスクの摩擦、ホルモンバランスの変動など、日常生活の中で頻繁に遭遇する状況と深く関わっています。

続いて、肌トラブルの赤みを抑える基本的なケア方法について見ていきましょう。

肌トラブルの赤みを抑える基本的なケア方法

肌トラブルの赤みを抑えるには、優しい洗顔、十分な保湿、刺激の回避、紫外線対策という基本的なケアを丁寧に行うことが重要です。

洗顔では、肌に負担をかけないことが第一です。洗顔料はマイルドで低刺激なものを選び、よく泡立ててから使用します。ゴシゴシこすらず、泡で優しく包み込むように洗うことを心がけましょう。水温はぬるま湯(32〜34度程度)が適しており、熱いお湯は避けます。洗顔は1日2回程度にとどめ、過度な洗顔は肌のバリア機能を傷つけるため控えます。

保湿は赤みのケアにおいて最も重要なポイントです。洗顔後はすぐに化粧水で水分を補給し、その後乳液やクリームで水分を閉じ込めます。赤みが出ている部分は特に丁寧に保湿しますが、刺激にならないよう優しく押さえるようになじませます。セラミドやヒアルロン酸など、バリア機能をサポートする成分が配合された製品を選ぶのも効果的です。

刺激を避けることも大切です。赤みが出ている間は、ピーリングやスクラブなど角質ケアは控えます。新しい化粧品を試すのも避け、肌が落ち着くまで使い慣れた低刺激の製品を使用します。タオルで顔を拭くときも、こすらず押さえるように水分を取ります。

紫外線対策は一年を通して必要です。紫外線は炎症を悪化させ、赤みを強める原因になるため、日焼け止めを毎日使用します。ただし、赤みが出ているときは肌が敏感になっているため、低刺激で肌に優しいタイプを選びましょう。

生活習慣の見直しも赤みの改善に役立ちます。十分な睡眠をとることで、肌の修復機能が高まります。バランスの取れた食事、特にビタミンCやビタミンEなど抗酸化作用のある栄養素を意識的に摂取することも有効です。

ストレス管理も重要な要素です。ストレスは自律神経のバランスを崩し、血管の収縮・拡張に影響を与えるため、適度な運動やリラックスする時間を作ることが大切です。

赤みが気になるからといって、冷やしすぎるのは避けましょう。一時的なほてりには効果的ですが、頻繁に冷やすと血管の収縮・拡張を繰り返し、かえって赤みが慢性化することがあります。

アルコールや辛い食べ物など、血管を拡張させる飲食物は控えめにします。熱い飲み物も一気に飲まず、冷ましてから飲むことを心がけます。

マスクによる摩擦が気になる場合は、肌に優しい素材のマスクを選び、こまめに取り替えることで蒸れを防ぎます。マスクの下にガーゼを当てるのも摩擦軽減に効果的です。

メイクで赤みをカバーしたい場合は、グリーン系の下地やコンシーラーが有効ですが、厚塗りは避け、肌呼吸を妨げないよう薄く塗ることがポイントです。

肌トラブルの赤みを抑えるためには、優しい洗顔で刺激を減らし、十分な保湿でバリア機能を整え、紫外線対策や生活習慣の見直しを行うという基本的なケア方法を継続することが効果的です。

最後に、赤みがひどい場合の対処法について解説します。

赤みがひどい場合の対処法

肌トラブルの赤みがひどく、セルフケアでは改善が見られない場合、強い痛みやかゆみを伴う場合、広範囲に広がっている場合などは、皮膚科など専門機関への相談が必要です。

専門家への相談が必要なケースとしては、いくつかのサインがあります。赤みが2週間以上続いても改善しない、日に日に悪化している、赤みとともに強い痛みやかゆみがある、水ぶくれや膿が出ている、顔全体に広がっている、日常生活に支障が出ているといった場合は、早めに受診することをおすすめします。

また、原因が分からない赤み、突然現れた激しい赤み、今まで経験したことのないタイプの赤みなども、専門家の診断を受けることが望ましいといえます。

皮膚科では、症状に応じて適切な治療が受けられます。炎症が強い場合は抗炎症作用のある外用薬、細菌感染を伴う場合は抗生物質、アレルギー反応が疑われる場合は抗ヒスタミン薬など、症状と原因に合わせた処方がなされます。酒さのような慢性的な赤みには、レーザー治療などの選択肢もあります。

市販のスキンケア製品と医療機関で処方される薬には明確な違いがあります。市販品は予防やマイルドなケアを目的としているのに対し、医療機関の薬は症状の治療を目的とした有効成分が適切な濃度で配合されています。セルフケアで改善しない場合は、自己判断で複数の市販品を試し続けるよりも、専門家の診断を受ける方が結果的に早く改善につながることが多いです。

受診する際には、いつから赤みが出始めたか、どのような状況で悪化するか、使用している化粧品やスキンケア製品、食生活や生活習慣の変化、既往症やアレルギーの有無などを伝えられるよう準備しておくと、診断がスムーズになります。

また、赤みが出ている部分の写真を撮っておくと、症状の経過を伝える際に役立ちます。特に症状が変動する場合は、良い状態と悪い状態の両方を記録しておくとよいでしょう。

セルフケアを続ける場合も、症状を記録することは重要です。どのケアをしたときに改善したか、何をしたときに悪化したかを把握することで、自分の肌に合うケア方法が見えてきます。

ただし、セルフケアには限界があることも理解しておく必要があります。赤みの原因が内臓疾患やホルモン異常など、肌以外の問題にある場合もあります。長期間改善しない赤みは、体からの何らかのサインである可能性も考慮すべきです。

肌トラブルの赤みがひどい場合は、2週間以上続く、悪化している、強い痛みやかゆみを伴うといった症状が見られるときに皮膚科などの専門機関を受診し、セルフケアでは対応できない炎症やアレルギー反応に対して適切な治療を受けることが重要です。