繰り返しできる肌トラブルに、どう対処すれば良いのか分からないと悩んでいませんか。
思春期の頃と同じケアをしても改善しない、むしろ悪化してしまうという経験をお持ちの方も多いでしょう。
大人ニキビは原因が複雑なため、正しい対処法を知ることが改善への近道となります。
間違ったケアを続けると跡が残ったり、慢性化したりする可能性もあります。
本記事では、大人ニキビの正しい対処法と効果的な改善方法をご紹介します。
大人ニキビの正しい対処法とは？
大人ニキビの正しい対処法は、優しい洗顔、十分な保湿、刺激を避けること、そして生活習慣の改善です。
思春期の頃のような皮脂を取り除くケアではなく、肌のバリア機能を守りながらケアすることが重要です。
スキンケアの基本
洗顔は朝晩の2回、優しく行うのが基本です。低刺激で肌に優しいタイプの洗顔料を選び、しっかりと泡立ててから使いましょう。泡で包み込むように洗い、ゴシゴシこすらないことが大切です。
すすぎはぬるま湯(32〜34度程度)で丁寧に行います。熱いお湯は必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥の原因となります。また、洗い残しがあると毛穴詰まりの原因になるため、特に髪の生え際やフェイスラインは念入りにすすぎましょう。
洗顔後はすぐに保湿を行います。化粧水で水分を補給し、乳液やクリームで水分を閉じ込めましょう。「ニキビがあるから油分は避ける」という考えは間違いで、適度な油分は肌のバリア機能を保つために必要です。ノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせにくい)タイプのアイテムを選ぶと安心です。
スキンケアアイテムを塗る際は、手のひらで温めてから優しく押さえるようになじませます。こすったりパッティングしたりすると、摩擦で肌を傷つける可能性があります。
肌に合わないアイテムは使い続けないことも重要です。新しいアイテムを使い始めてからニキビが増えた場合は、一旦使用を中止し、以前のアイテムに戻してみましょう。
生活習慣の見直し
睡眠は肌の回復に不可欠です。睡眠中に分泌される成長ホルモンが、肌の修復や再生を促進します。1日6〜8時間の睡眠を確保し、できるだけ同じ時間に就寝・起床する習慣をつけましょう。
食生活も見直しましょう。野菜、果物、魚、大豆製品など、ビタミンやミネラルを豊富に含む食材を積極的に摂ります。脂っこい食事や糖質の多い食事は控えめにし、バランスの良い食事を心がけましょう。
水分補給もこまめに行います。1日1.5〜2リットルの水を目安に、水やノンカフェインのお茶を飲むことで、肌の乾燥を防ぎ、老廃物の排出を促します。
ストレス管理も重要です。ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂の分泌を増やします。適度な運動、趣味の時間、リラックスできる時間を持つなど、自分なりのストレス発散方法を見つけましょう。
優しい洗顔と十分な保湿、刺激を避けること、生活習慣の改善が、大人ニキビへの正しい対処の基本です。
では、ニキビができた時の応急処置について見ていきましょう。
大人ニキビができた時の応急処置
大人ニキビができた時の応急処置は、触らずに清潔を保ち、炎症を抑えるケアを行うことです。
ニキビができると焦ってしまいがちですが、間違った対処は悪化や跡の原因となるため、冷静に正しいケアを行いましょう。
やるべきこと
まず、ニキビができている部分を清潔に保ちましょう。朝晩の洗顔を丁寧に行い、余分な皮脂や汚れを取り除きます。ただし、ニキビの部分をゴシゴシこすらないよう注意してください。
炎症が起きている場合は、冷やすことで一時的に症状を和らげることができます。清潔なタオルを冷水で濡らし、軽く絞ってからニキビの部分に当てます。冷やすことで炎症が抑えられ、赤みや腫れが軽減されることがあります。
抗炎症成分が配合されたスキンケアアイテムを使用することも効果的です。グリチルリチン酸やアラントインなどの成分は、炎症を抑える働きがあります。
ニキビ用の市販薬を使用する場合は、使用方法をよく読んで正しく使いましょう。塗りすぎると肌に負担がかかることもあるため、適量を守ることが大切です。
メイクをする場合は、できるだけ薄くし、ニキビの部分は避けるか、肌に優しいミネラルファンデーションなどを使用しましょう。帰宅後は早めにクレンジングを行い、メイクを落とします。
枕カバーやタオルは清潔なものを使いましょう。雑菌が繁殖した寝具は、ニキビを悪化させる原因となります。
避けるべきこと
ニキビを触ることは絶対に避けましょう。手には雑菌がついているため、触ることで細菌が侵入し、炎症が悪化します。無意識に触る癖がある方は、意識して手を遠ざけるようにしましょう。
ニキビを潰すことも厳禁です。潰すと周囲に炎症が広がり、ニキビ跡として色素沈着やクレーターが残りやすくなります。芯を出したくなる気持ちは分かりますが、我慢しましょう。
過剰なケアも避けるべきです。早く治したいからと、1日に何度も洗顔したり、多くの薬やアイテムを重ねたりすると、肌に負担がかかり逆効果になります。
刺激の強いスキンケアアイテムも使用を控えましょう。スクラブ洗顔、ピーリング剤、アルコール成分の強い化粧水などは、炎症を悪化させる可能性があります。
厚塗りのメイクでニキビを隠そうとすることも避けましょう。毛穴を塞いでニキビを悪化させるだけでなく、クレンジングで落とす際にも肌に負担がかかります。
触らず清潔を保ち、炎症を抑えるケアを行うことが、大人ニキビができた時の正しい応急処置です。
次に、原因別の対処法を見ていきましょう。
原因別の対処法
原因別の対処法として、乾燥が原因の場合は保湿強化、ストレスやホルモンバランスが原因の場合は生活習慣の改善、食生活が原因の場合は食事内容の見直しが効果的です。
大人ニキビは原因が複合的であることが多いですが、主な原因に合わせた対処を行うことで、より効果的に改善できます。
乾燥が原因の場合
肌の乾燥が原因でニキビができている場合は、保湿を強化することが最優先です。
化粧水は、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合されたものを選び、たっぷり使いましょう。コットンではなく手のひらで塗ることで、肌への摩擦を減らせます。
乳液やクリームもしっかり使いましょう。「ベタつくから」と油分を避けると、肌が乾燥してかえって皮脂が過剰に分泌されます。ノンコメドジェニックタイプの乳液やクリームを選べば、毛穴詰まりの心配も軽減できます。
週に1〜2回、保湿パックを取り入れることも効果的です。ただし、毎日のパックは肌に負担がかかる場合があるため、頻度に注意しましょう。
室内の湿度管理も大切です。エアコンや暖房を使う季節は、加湿器を使って湿度を50〜60%程度に保ちましょう。
洗顔料も見直しましょう。洗浄力の強すぎるものは、必要な皮脂まで取り除いてしまいます。マイルドな洗浄力のものに切り替えることで、乾燥を防げます。
ストレスやホルモンバランスが原因の場合
ストレスやホルモンバランスの乱れが原因の場合は、生活習慣の改善が重要です。
睡眠時間をしっかり確保しましょう。睡眠不足はホルモンバランスを乱し、ストレスへの耐性も低下させます。1日6〜8時間の睡眠を目標に、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
ストレス発散の方法を見つけましょう。適度な運動、趣味の時間、友人との会話、入浴、瞑想など、自分に合った方法でストレスを解消することが大切です。
女性の場合、生理周期とニキビの関係を把握しておくと、予防や対処がしやすくなります。生理前はニキビができやすい時期なので、この時期は特に丁寧なスキンケアと十分な睡眠を心がけましょう。
カフェインやアルコールの摂りすぎは、ホルモンバランスを乱す原因となります。コーヒーやお酒は控えめにし、ハーブティーや水を選びましょう。
食生活が原因の場合
食生活の乱れが原因の場合は、食事内容の見直しが効果的です。
脂っこい食事や糖質の多い食事を控えましょう。揚げ物、ファストフード、スナック菓子、甘いお菓子やジュースなどは、皮脂の分泌を増やしてニキビを悪化させます。
野菜、果物、魚、大豆製品を積極的に摂りましょう。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などの栄養素は、肌の健康を保つために重要です。
腸内環境を整えることも大切です。発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)や食物繊維を含む食品を摂ることで、腸内環境が改善され、肌の状態も良くなることがあります。
水分補給をこまめに行いましょう。1日1.5〜2リットルの水を目安に、体内の老廃物の排出を促します。
外食やコンビニ食が多い方は、野菜を追加する、サラダを選ぶ、丼物より定食を選ぶなど、できる範囲で工夫しましょう。
乾燥には保湿強化、ストレスやホルモンバランスには生活習慣の改善、食生活には食事内容の見直しというように、原因に合わせた対処が効果的です。
次に、大人ニキビを繰り返さないための予防法を見ていきましょう。
大人ニキビを繰り返さないための予防法
大人ニキビを繰り返さないための予防法は、日々のスキンケア習慣の継続、規則正しい生活習慣の維持、そして定期的な見直しです。
一度改善しても、ケアを怠ると再発しやすいのが大人ニキビの特徴です。予防を意識した習慣を身につけましょう。
日々のスキンケアでの予防
毎日のスキンケアを丁寧に継続することが、予防の基本です。朝晩の洗顔と保湿を習慣化し、肌の清潔と潤いを保ちましょう。
クレンジングと洗顔は丁寧に行いましょう。メイクや皮脂汚れが残っていると、毛穴詰まりの原因となります。特に、帰宅後は早めにメイクを落とすことを心がけましょう。
保湿は年間を通じて行いましょう。冬だけでなく、夏もエアコンによる乾燥があります。季節に合わせてアイテムの使用量を調整しながら、常に肌を潤った状態に保ちましょう。
紫外線対策も忘れずに行いましょう。紫外線は肌のバリア機能を低下させ、ニキビの原因となります。日焼け止めを毎日使用し、肌を紫外線から守りましょう。
定期的にスキンケアアイテムを見直すことも大切です。季節や年齢、肌の状態に合わせて、アイテムを変更することで、より効果的なケアができます。
肌に触れるものを清潔に保つことも予防につながります。枕カバーやタオル、メイクブラシやパフなどは、こまめに洗濯・洗浄しましょう。
生活習慣での予防
規則正しい生活リズムを維持しましょう。睡眠時間を確保し、できるだけ同じ時間に就寝・起床することで、ホルモンバランスが安定しやすくなります。
バランスの良い食事を継続しましょう。野菜、果物、タンパク質をバランスよく摂り、脂っこいものや甘いものは控えめにします。忙しい時も、できる範囲で栄養バランスを意識しましょう。
適度な運動習慣を身につけましょう。週に2〜3回、30分程度の運動は、血行促進、ストレス発散、睡眠の質向上など、様々な効果があります。
ストレスを溜め込まない習慣を持ちましょう。定期的にリフレッシュする時間を作り、ストレスが蓄積する前に発散することが大切です。
水分補給を習慣化しましょう。デスクワークの方は、デスクに水を置いておくなど、こまめに水を飲む環境を作ると良いでしょう。
定期的に自分の肌や体調を振り返りましょう。ニキビができやすい時期やパターンを把握しておくと、予防がしやすくなります。
日々のスキンケア習慣、規則正しい生活習慣の維持、定期的な見直しを続けることで、大人ニキビの再発を防ぐことができます。
最後に、専門家に相談すべき症状についてお伝えします。
専門家に相談すべき症状
専門家に相談すべき症状は、長期間治らない、悪化し続ける、跡が残りそう、広範囲に広がっている場合です。
以下のような症状がある場合は、自己ケアだけでなく、早めに専門家に相談することをおすすめします。
2週間以上治らない場合 適切なケアを行っているにもかかわらず、2週間以上ニキビが改善しない場合は、専門的な治療が必要な可能性があります。自己流のケアを続けるよりも、早めに相談した方が早く改善することがあります。
悪化し続ける場合 ケアを行っているのに、ニキビが増え続ける、炎症がひどくなる、痛みが強くなるなど、悪化している場合は、早めの受診をおすすめします。
跡が残りそうな場合 炎症が強い、深い部分にできている、固いしこりになっているなど、跡が残りそうなニキビの場合は、専門家に相談することで適切な処置を受けられ、跡を最小限に抑えられる可能性があります。
広範囲に広がっている場合 顔全体や、首、背中、胸など広範囲にニキビができている場合は、体の内側に原因がある可能性があります。専門的な診断を受けることをおすすめします。
痛みや熱を伴う場合 触らなくても痛みがある、患部が熱を持っているなど、重度の炎症が起きている場合は、早めの治療が必要です。
市販薬を使っても改善しない場合 市販のニキビ薬を2週間以上使っても効果が見られない場合は、その薬が合っていないか、より強力な治療が必要な可能性があります。
繰り返し同じ場所にできる場合 何度も同じ場所にニキビができる場合は、その部位に構造的な問題があるか、慢性的な炎症が起きている可能性があります。
他の体調不良がある場合 ニキビと同時に、生理不順、体重の急激な変化、多毛、疲労感など他の症状がある場合は、ホルモンバランスの異常など、体の内側に問題がある可能性があります。
大人ニキビの対処法は、優しい洗顔と十分な保湿、刺激を避けること、生活習慣の改善が基本です。原因に合わせたケアを行い、予防習慣を継続することで改善と再発防止ができますが、症状が長引く場合や悪化する場合は、ご相談ください。
