頬や鼻に現れる肌の赤みは、多くの方が抱える肌悩みのひとつです。
肌の赤みを改善するためには、原因に合った正しいスキンケアを行うことが大切です。
赤みの原因には、炎症、毛細血管の拡張、バリア機能の低下などがあり、それぞれに適したスキンケア方法が異なります。
間違ったスキンケアを続けると、かえって肌の赤みを悪化させてしまうこともあるため注意が必要です。
本記事では、肌の赤みの原因別に、効果的なスキンケア方法を詳しく解説していきます。
肌の赤みを改善するには原因に合ったスキンケアが大切?
肌の赤みを改善するには、まず赤みの原因を把握し、その原因に合った適切なスキンケアを行うことが大切です。
肌の赤みといっても、その原因はさまざまです。ニキビや肌荒れによる一時的な赤み、毛細血管が透けて見える慢性的な赤み、敏感肌によって刺激を受けるたびに現れる赤みなど、タイプによって状態が異なります。そのため、同じスキンケアをしても、効果がある人とない人がいるのです。
例えば、バリア機能が低下して敏感になっている肌には、しっかりとした保湿ケアが効果的です。一方、炎症が起きている肌に油分の多いクリームをたっぷり塗ると、かえって症状を悪化させてしまうこともあります。毛細血管の拡張による赤みは、スキンケアだけでは改善しにくく、刺激を避けることが重要になります。
自分の赤みがどのタイプなのかを理解し、それに合ったスキンケアを選ぶことが、赤み改善への近道です。また、すべてのタイプに共通して重要なのは、肌への刺激を最小限に抑えることです。赤みがある肌は敏感な状態にあるため、優しいケアを心がけることが基本となります。
肌の赤みを改善するためには、原因を見極め、その原因に適したスキンケアを実践することが重要です。
まずは、肌の赤みが起こる原因について理解しておきましょう。
肌の赤みの原因を知る
肌の赤みの原因は、大きく分けて炎症によるもの、毛細血管の拡張によるもの、バリア機能の低下によるものの3つがあります。
赤みの原因を理解することで、どのようなスキンケアが自分に合っているかを判断しやすくなります。それぞれの原因と特徴を見ていきましょう。
炎症による赤み
炎症による赤みは、肌がダメージを受けることで起こります。炎症が起きると、その部分に血液が集まり、赤みとして目に見える形で現れます。
ニキビは炎症による赤みの代表例です。毛穴に皮脂や角質が詰まり、アクネ菌が繁殖すると炎症が起こり、赤く腫れたニキビになります。ニキビが治った後も、炎症のダメージが残って赤みが続くことがあります。これはニキビ跡の一種で、炎症後紅斑と呼ばれます。
肌荒れやかぶれも炎症を引き起こします。乾燥、摩擦、化粧品の刺激、アレルギー反応などによって肌が荒れると、炎症が起きて赤みが生じます。日焼けも炎症の一種であり、紫外線によるダメージで肌が赤くなります。
炎症による赤みの特徴は、原因となる刺激がなくなれば時間とともに治まることが多い点です。ただし、炎症が繰り返されると、色素沈着として残ったり、慢性的な赤みに移行したりすることがあります。
毛細血管の拡張による赤み
毛細血管の拡張による赤みは、肌の表面近くにある血管が広がることで、血液の色が透けて見える状態です。頬や鼻に現れやすく、慢性的に続くことが特徴です。
温度変化、アルコール、香辛料、ストレスなどの刺激によって毛細血管は拡張します。一時的な拡張であれば問題ありませんが、これらの刺激を繰り返し受けていると、血管が拡張したまま戻りにくくなることがあります。
酒さ(しゅさ)という皮膚疾患も、毛細血管の拡張が主な原因です。酒さは顔の中央部に慢性的な赤みが続く病気で、進行すると毛細血管が皮膚表面に浮き出て見えるようになることもあります。
毛細血管の拡張による赤みは、スキンケアだけでは改善が難しいことが多く、刺激を避けて症状の悪化を防ぐことが基本的な対策となります。
バリア機能低下による赤み
バリア機能低下による赤みは、肌の防御力が弱まることで、外部刺激に敏感に反応して赤くなる状態です。敏感肌や乾燥肌の方に多く見られます。
健康な肌は、角質層がバリアとなって外部刺激から守られています。しかし、乾燥、間違ったスキンケア、紫外線ダメージなどによってバリア機能が低下すると、少しの刺激でも肌が反応して赤みが出るようになります。
化粧水をつけるとピリピリする、季節の変わり目に肌が荒れる、新しい化粧品を使うとすぐに赤くなるといった症状がある場合は、バリア機能の低下が原因である可能性が高いです。
肌の赤みの原因は、炎症、毛細血管の拡張、バリア機能の低下の3つに大きく分けられます。
これらの原因を踏まえて、赤みを改善するスキンケアの基本を見ていきましょう。
肌の赤みを改善するスキンケアの基本
肌の赤みを改善するスキンケアの基本は、優しい洗顔、しっかりとした保湿、徹底した紫外線対策の3つです。
赤みの原因がどのタイプであっても、これらの基本的なスキンケアは共通して重要です。肌への刺激を最小限に抑えながら、健康な肌を維持するための土台を作りましょう。
洗顔は優しく丁寧に
洗顔は、スキンケアの最初のステップであり、赤みケアにおいても非常に重要です。間違った洗顔方法は、肌への刺激となり、赤みを悪化させる原因になります。
洗顔料は、洗浄力がマイルドなものを選びましょう。アミノ酸系の洗顔料は、肌への刺激が少なく、必要な潤いを残しながら汚れを落とすことができます。泡立ちが良い洗顔料を選ぶと、肌への摩擦を減らすことができます。
洗顔するときは、たっぷりの泡を作り、泡で肌を包み込むように優しく洗いましょう。手が直接肌に触れないくらいの泡を作るのが理想です。ゴシゴシこすると摩擦が刺激になるため、絶対に避けてください。
すすぎは32〜34度程度のぬるま湯で行います。熱いお湯は毛細血管を拡張させ、赤みを悪化させる原因になります。また、必要な皮脂まで落としてしまい、肌の乾燥を招きます。すすぎ残しがないよう、生え際やあごの下まで丁寧にすすぎましょう。
タオルで顔を拭くときも、こすらないことが大切です。清潔なタオルを顔に軽く押し当てるようにして、水分を吸い取りましょう。
保湿で肌のバリア機能を整える
保湿は、赤みケアの要となるステップです。肌にしっかりと潤いを与えることで、バリア機能を整え、外部刺激から肌を守ることができます。
化粧水は、洗顔後できるだけ早くつけましょう。洗顔後は肌の水分が蒸発しやすいため、1〜2分以内に化粧水をつけることを目標にしてください。化粧水は手のひらで温めてから、顔全体に優しくハンドプレスしてなじませます。コットンは繊維が摩擦になることがあるため、赤みがあるときは手でつける方がおすすめです。
化粧水の後は、乳液やクリームで油分を補いましょう。化粧水だけでは水分が蒸発してしまうため、乳液やクリームの油分で蓋をすることが大切です。赤みがあるときは、低刺激処方のものや、セラミドなどのバリア機能をサポートする成分が配合されたものを選ぶとよいでしょう。
保湿成分として効果的なものには、セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸などがあります。特にセラミドは、肌のバリア機能を構成する重要な成分であり、外側から補うことでバリア機能の回復をサポートできます。
紫外線対策を徹底する
紫外線は、肌の赤みを悪化させる大きな要因です。紫外線対策を徹底することで、赤みの予防と改善につなげることができます。
紫外線は、肌に炎症を起こし、毛細血管を拡張させ、バリア機能を低下させます。つまり、赤みの3つの原因すべてに関係しているのです。日焼け止めを毎日塗ることは、赤みケアの基本として欠かせません。
日焼け止めは、肌に優しいものを選びましょう。赤みがある肌は敏感になっているため、低刺激処方のものや、紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)のものがおすすめです。SPF30〜50、PA+++程度のものを目安に、日常使いとレジャー用で使い分けるとよいでしょう。
日焼け止めだけでなく、帽子や日傘、サングラスなどの物理的な遮光も効果的です。特に紫外線が強い時間帯(10時〜14時頃)は、できるだけ直射日光を避けるようにしましょう。
肌の赤みを改善するスキンケアの基本は、マイルドな洗顔、十分な保湿、紫外線対策の3つを徹底することです。
次に、原因別のスキンケアポイントを詳しく見ていきましょう。
原因別のスキンケアポイント
原因別のスキンケアポイントとして、炎症には抗炎症ケア、毛細血管拡張には刺激回避、バリア機能低下には徹底保湿が効果的です。
赤みの原因によって、重点的に行うべきケアが異なります。自分の赤みのタイプに合わせて、以下のポイントを意識してみてください。
炎症による赤みのスキンケア
炎症による赤みには、炎症を抑えるケアと、炎症を悪化させないケアが重要です。
抗炎症成分が配合された化粧品を取り入れましょう。グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン、トラネキサム酸などの抗炎症成分は、肌の炎症を抑え、赤みを軽減する効果が期待できます。敏感肌用や肌荒れ防止をうたった化粧品に配合されていることが多いです。
ニキビによる赤みの場合は、ニキビケアと並行して行いましょう。毛穴詰まりを防ぐために、適切な洗顔を行い、油分の与えすぎに注意します。ノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせにくい処方)の化粧品を選ぶのもひとつの方法です。ニキビを触ったり潰したりすると炎症が悪化するため、絶対に触らないようにしましょう。
炎症後の赤み(ニキビ跡など)には、ビタミンC誘導体が効果的です。ビタミンC誘導体は、炎症後の色素沈着を防ぎ、赤みを薄くする効果が期待できます。ただし、高濃度のものは刺激になることがあるため、低濃度から始めるか、肌の調子が良いときに使用してください。
毛細血管拡張による赤みのスキンケア
毛細血管の拡張による赤みは、スキンケアで直接改善することは難しいですが、刺激を避けて悪化を防ぐことが大切です。
温度変化に注意しましょう。洗顔時のお湯の温度はぬるめにし、熱いお風呂やサウナは避けた方がよいでしょう。寒い屋外から暖かい室内に入るときは、顔を覆うなどして急激な温度変化を和らげる工夫をしてみてください。
刺激の強い化粧品は避けましょう。アルコール(エタノール)が高配合された化粧品は、血管を拡張させる作用があるため、赤みを悪化させる可能性があります。香料や刺激の強い成分も避け、低刺激処方の化粧品を選びましょう。
肌を落ち着かせる成分を取り入れるのも効果的です。シカ成分(ツボクサエキス)やカモミールエキスなど、肌を鎮静させる効果がある成分が配合された化粧品を使ってみてください。
毛細血管の拡張がひどい場合や、酒さの疑いがある場合は、スキンケアだけでは改善が難しいため、皮膚科での治療を検討しましょう。
バリア機能低下による赤みのスキンケア
バリア機能低下による赤みには、肌のバリア機能を回復させるケアが効果的です。
保湿を徹底しましょう。バリア機能が低下した肌は、水分を保持する力が弱まっています。化粧水でたっぷり水分を補い、乳液やクリームでしっかり蓋をすることが大切です。乾燥が気になる部分には重ね付けをしてもよいでしょう。
セラミドを補うケアが特に効果的です。セラミドは肌のバリア機能を構成する重要な成分です。セラミド配合の化粧水や美容液、クリームを使うことで、バリア機能の回復をサポートできます。ヒト型セラミド(セラミドNP、セラミドAPなど)は肌なじみが良いとされています。
スキンケアアイテムの数を減らし、シンプルなケアを心がけることも大切です。たくさんの化粧品を重ねることは、肌への負担になることがあります。化粧水、乳液(またはクリーム)、日焼け止めという最低限のステップで様子を見てみましょう。
刺激になりやすい成分を避けることも重要です。アルコール、香料、着色料、ピーリング成分などは、バリア機能が低下した肌には刺激になりやすいです。敏感肌用や低刺激処方の化粧品を選びましょう。
原因別のスキンケアとして、炎症には抗炎症成分、毛細血管拡張には刺激回避、バリア機能低下にはセラミド配合の保湿ケアが効果的です。
一方で、赤みを悪化させてしまうNGなスキンケアもあります。
肌の赤みを悪化させるNGスキンケア
肌の赤みを悪化させるNGスキンケアとして、過度な洗顔、刺激の強い化粧品の使用、摩擦を与えるケアなどが挙げられます。
良かれと思ってやっているスキンケアが、実は赤みを悪化させていることがあります。以下のようなケアは避けるようにしましょう。
洗いすぎは赤みを悪化させます。1日に何度も洗顔したり、洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使ったりすると、必要な皮脂まで落としてしまい、バリア機能が低下します。洗顔は朝晩の2回で十分です。また、スクラブ入りの洗顔料やピーリング剤は、赤みがあるときは避けましょう。
熱いお湯での洗顔はNGです。熱いお湯は毛細血管を拡張させ、赤みを悪化させます。また、皮脂を落としすぎて肌を乾燥させる原因にもなります。洗顔やすすぎは、32〜34度程度のぬるま湯で行いましょう。
摩擦を与えるケアは避けましょう。コットンで強くパッティングする、タオルでゴシゴシ拭く、マッサージで肌をこするなどの行為は、肌への摩擦となり赤みを悪化させます。すべてのケアは、優しく触れることを意識してください。
刺激の強い成分が入った化粧品は控えましょう。アルコール(エタノール)、香料、着色料、高濃度のビタミンC、レチノール、AHA・BHAなどのピーリング成分は、赤みがあるときは刺激になることがあります。肌の調子が悪いときは、これらの成分が含まれる化粧品の使用は控えた方がよいでしょう。
たくさんの化粧品を重ねすぎるのも良くありません。何種類もの美容液やクリームを重ねることは、肌への負担になることがあります。また、成分同士の相性が悪く、刺激になることもあります。赤みがあるときは、スキンケアをシンプルにすることを心がけましょう。
合わない化粧品を無理に使い続けることも避けましょう。化粧水をつけるとピリピリする、赤みが増すといった場合は、その製品が肌に合っていない可能性があります。無理に使い続けると症状が悪化することがあるため、合わないと感じたら使用を中止してください。
肌の赤みを悪化させないためには、過度な洗顔、熱いお湯、摩擦、刺激の強い成分などを避けることが大切です。
スキンケアを見直しても赤みが改善しない場合は、専門家に相談することも検討しましょう。
スキンケアで改善しない赤みは皮膚科へ
スキンケアを見直しても赤みが改善しない場合は、皮膚科を受診して専門家に相談することをおすすめします。
赤みの中には、スキンケアだけでは対処できないものもあります。以下のような場合は、皮膚科の受診を検討してください。
1〜2ヶ月以上スキンケアを続けても改善が見られない場合は、受診のタイミングです。適切なスキンケアを続けていれば、肌のターンオーバーに合わせて少しずつ改善が見られるはずです。それでも変化がない場合は、原因が別にあるか、専門的な治療が必要な可能性があります。
赤みに加えて、強いかゆみ、痛み、腫れ、膿、皮膚のただれなどの症状がある場合は、早めに受診しましょう。これらの症状は、単なる肌荒れではなく、皮膚疾患の可能性を示しています。
毛細血管が目に見えて浮き出ている、赤みが顔の中央部に集中して慢性的に続いている場合は、酒さの可能性があります。酒さは皮膚疾患であり、適切な治療が必要です。
どの化粧品を使ってもピリピリする、何を塗っても赤くなるという場合も、皮膚科で相談してみてください。アレルギー検査や肌の状態のチェックを受けることで、原因を特定できることがあります。
皮膚科では、赤みの原因を診断し、適切な治療を行います。炎症が原因の場合は、抗炎症作用のある外用薬が処方されることがあります。ステロイド外用薬は、炎症を素早く抑える効果がありますが、使用方法や期間については医師の指示に従うことが大切です。
毛細血管の拡張による赤みには、レーザー治療や光治療(IPL)が効果的な場合があります。これらの治療は、拡張した毛細血管に作用して赤みを軽減します。自由診療となることが多いですが、スキンケアでは改善しにくい赤みにも効果が期待できます。
皮膚科では、自分の肌に合ったスキンケア方法や化粧品の選び方についてもアドバイスをもらうことができます。赤みの原因が分からない、何をしても改善しないという方は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。
スキンケアで赤みが改善しない場合は、皮膚科を受診して原因を特定し、適切な治療やアドバイスを受けることが大切です。
肌の赤みは、原因に合った正しいスキンケアを続けることで改善が期待できます。自分の肌と向き合いながら、焦らずにケアを続けていきましょう。気になる症状がある場合は、自己判断せずに皮膚科などの医療機関を受診することをおすすめします。





