乾燥肌の赤みに効くスキンケアとは?原因と正しいケア方法について

乾燥肌

顔が赤くなったり、ヒリヒリしたりする乾燥肌に悩んでいませんか。

特に冬場や季節の変わり目に、頬や鼻周りの赤みが気になるという方は多いでしょう。

乾燥肌による赤みは、間違ったスキンケアや刺激によって悪化することがあります。

適切なスキンケアと生活習慣の改善で、赤みを抑えることができます。

本記事では、乾燥肌で赤みが出る原因と正しいスキンケア方法、そして改善のためのポイントをご紹介します。

乾燥肌で赤みが出る原因とは?

乾燥肌で赤みが出る原因は、肌のバリア機能の低下による炎症の発生、刺激への過敏反応、そして血行不良です。

赤みの原因を理解することで、適切な対処法を選べるようになります。

バリア機能の低下と炎症

肌のバリア機能が低下すると、外部刺激から肌を守る力が弱まります。通常、健康な肌は角質層と皮脂膜によって守られていますが、乾燥するとこのバリアが破壊され、様々な刺激が肌の内部に侵入しやすくなります。

バリア機能が低下した肌は、非常に敏感な状態です。わずかな刺激でも炎症を起こしやすく、この炎症が赤みとして現れます。炎症が起きると、体は免疫反応として炎症物質を放出し、血管が拡張します。この血管の拡張が、肌の赤みの直接的な原因です。

乾燥によって角質層の水分が不足すると、肌表面が硬くなり、ひび割れることがあります。このひび割れた部分から、さらに水分が蒸発し、刺激物が侵入しやすくなるという悪循環に陥ります。

また、肌が乾燥すると、それを補おうとして皮脂が過剰に分泌されることがあります。しかし、水分不足の状態で皮脂だけが増えても、肌のバランスは改善されず、かえって肌トラブルを引き起こすことがあります。

セラミドやNMF(天然保湿因子)といった保湿成分が不足することも、バリア機能低下の原因です。これらの成分は肌の水分を保持する重要な役割を果たしており、不足すると乾燥と炎症が悪化します。

刺激による赤みの発生

外部からの刺激も赤みの大きな原因です。紫外線は、肌のバリア機能を破壊し、炎症を引き起こします。乾燥肌は紫外線のダメージを受けやすく、少量の紫外線でも赤みや炎症が出やすくなります。

気温の急激な変化も刺激となります。寒い屋外から暖かい室内に入った時、急に顔が赤くなるという経験がある方も多いでしょう。これは、気温差によって血管が急激に拡張するためです。

摩擦による刺激も見落とせません。洗顔時にゴシゴシこする、タオルで強く拭く、化粧水を塗る時にパチパチ叩くなどの行為は、乾燥肌に追加のダメージを与え、赤みを悪化させます。

スキンケアアイテムに含まれる成分が刺激となることもあります。アルコール、香料、防腐剤などは、敏感になっている乾燥肌には強い刺激となり、赤みやヒリヒリ感を引き起こすことがあります。

花粉やハウスダスト、PM2.5などの空気中の微粒子も、バリア機能が低下した肌には刺激となります。これらが肌に付着すると、炎症を引き起こし、赤みの原因となります。

また、ストレスによっても肌の赤みが出ることがあります。ストレスは自律神経を乱し、血管の収縮・拡張のバランスを崩すため、赤みが出やすくなります。

バリア機能の低下による炎症、外部刺激への過敏反応、血行の乱れが、乾燥肌で赤みが出る主な原因です。

では、赤みがある乾燥肌向けのスキンケアの選び方を見ていきましょう。

赤みがある乾燥肌向けスキンケアの選び方

赤みがある乾燥肌向けスキンケアの選び方は、低刺激で抗炎症成分が配合され、高保湿で無香料・無着色のものを選ぶことです。

赤みがある時は、通常の乾燥肌よりもさらに慎重にアイテムを選ぶ必要があります。

避けるべき成分とアイテム

アルコール(エタノール)が大量に配合されているものは避けましょう。アルコールは、肌を乾燥させ、刺激となります。「さっぱりタイプ」の化粧水には、アルコールが多く含まれていることが多いため注意が必要です。

香料や着色料も避けるべきです。これらは肌の状態改善には不要で、むしろ刺激となる可能性があります。「無香料」「無着色」と表示されているものを選びましょう。

合成界面活性剤が多く含まれる洗顔料も避けた方が良いです。洗浄力が強すぎると、必要な皮脂まで取り除き、バリア機能をさらに低下させます。

ピーリング剤やスクラブ入りの洗顔料は、赤みがある時は絶対に使わないでください。角質を削り取る行為は、炎症を悪化させます。

防腐剤の中でも、パラベンに敏感な方は注意が必要です。すべての人に問題があるわけではありませんが、刺激を感じる場合は避けましょう。

また、収れん化粧水やふき取り化粧水も、赤みがある時は使用を控えましょう。これらはアルコール成分が多く、摩擦も加わるため、刺激が強すぎます。

選ぶべき成分とアイテム

抗炎症成分が配合されているものを選びましょう。グリチルリチン酸2K、アラントイン、パンテノール、トラネキサム酸などは、炎症を抑える効果があります。

高保湿成分が豊富に含まれているものも重要です。セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、スクワランなどの保湿成分が、肌のバリア機能を回復させます。

特にセラミドは、肌の角質層で水分を保持する重要な成分です。ヒト型セラミドが配合されたアイテムは、より効果的に肌のバリア機能を修復できます。

ナイアシンアミド(ビタミンB3)も、バリア機能の改善に効果的です。炎症を抑え、肌の赤みを軽減する働きがあります。

敏感肌用、低刺激と表示されているものは、赤みがある乾燥肌にも適していることが多いです。これらは刺激となる成分を極力排除しているため、安心して使えます。

医薬部外品や薬用タイプで、肌荒れ防止効果があるものもおすすめです。有効成分が一定量配合されており、効果が期待できます。

テクスチャーは、クリームやミルクタイプなど、しっとりしたものを選びましょう。さっぱりタイプは保湿力が不足することが多いです。

パッチテストを行うことも大切です。新しいアイテムを使う前に、腕の内側など目立たない部分に少量塗って、24時間様子を見ましょう。

低刺激で抗炎症成分と高保湿成分が配合され、無香料・無着色のスキンケアを選ぶことが重要です。

次に、赤みを悪化させないスキンケア方法を見ていきましょう。

赤みを悪化させないスキンケア方法

赤みを悪化させないスキンケア方法は、優しく洗う、摩擦を避ける、適温のお湯を使う、そして保湿を重視することです。

どんなに良いアイテムを使っても、使い方が間違っていると赤みは改善しません。

洗顔時の注意点

洗顔料は、低刺激でマイルドなタイプを選びます。赤みがある時は、洗浄力が強すぎるものは避け、アミノ酸系や保湿成分配合のものを使いましょう。

洗顔料はしっかり泡立てます。泡立てネットを使い、手のひらいっぱいの濃密な泡を作りましょう。泡が少ないと摩擦が増え、赤みを悪化させます。

泡を顔に乗せたら、泡で洗うイメージで優しく洗います。指が直接肌に触れないくらいの泡の量が理想的です。ゴシゴシこすらず、泡を肌の上で転がすようにします。

赤みが出ている部分は、特に優しく扱います。泡を乗せるだけで十分で、こすらないようにしましょう。

洗顔時間は30秒〜1分以内に抑えます。長時間洗うと、必要な皮脂まで取り除き、バリア機能をさらに低下させます。

お湯の温度は32〜34度程度のぬるま湯が理想です。熱いお湯は血管を拡張させ、赤みを悪化させます。冷たすぎる水も、汚れが落ちにくく、血行を悪くするため避けましょう。

すすぎは20〜30回、しっかり行います。洗顔料が肌に残ると、刺激となり赤みの原因になります。特に、髪の生え際やフェイスラインは洗い残しが多いため念入りにすすぎましょう。

タオルで拭く際は、柔らかいタオルを使い、押さえるように水分を取ります。ゴシゴシこすると、摩擦で赤みが悪化します。

保湿ケアのポイント

洗顔後はすぐに保湿を行います。洗顔直後から肌の水分は蒸発し始めるため、できるだけ早く化粧水で水分を補給しましょう。

化粧水は、手のひらで温めてから使います。冷たい化粧水は、赤みがある肌には刺激となることがあるため、手のひらで温めることで刺激を軽減できます。

化粧水を塗る際は、パチパチ叩かず、優しく押し当てるようになじませます。手のひら全体で顔を包み込むように、優しく押さえます。

化粧水だけで終わらせず、必ず乳液やクリームで蓋をします。水分だけ与えても、油分で蓋をしなければすぐに蒸発してしまいます。

乳液やクリームも、手のひらで温めてから使います。顔全体に優しく伸ばし、赤みが出ている部分には重ね塗りします。

摩擦を避けるため、スキンケアアイテムを塗る時は、こすらず押さえるようにします。肌の上で滑らせるのではなく、手のひらで押し当ててなじませるイメージです。

特に赤みが強い部分には、鎮静効果のある美容液やクリームを使うのも効果的です。ツボクサエキス、アラントイン、グリチルリチン酸などが配合されたものを選びましょう。

朝のスキンケアでは、最後に日焼け止めを必ず塗ります。紫外線は赤みを悪化させる大きな原因となるため、UVカットは必須です。

優しく洗い、摩擦を避け、適温のお湯を使い、保湿を重視することが、赤みを悪化させないスキンケアの基本です。

それでは、赤みを改善するための生活習慣を見ていきましょう。

赤みを改善するための生活習慣

赤みを改善するための生活習慣は、紫外線対策の徹底、室内環境の整備、バランスの良い食事、十分な睡眠、そしてストレス管理です。

スキンケアだけでなく、生活習慣を整えることで、より効果的に赤みを改善できます。

環境と日常生活での工夫

紫外線対策は一年中行いましょう。紫外線は、曇りの日や冬場でも降り注いでいます。日焼け止めを毎日使用し、帽子や日傘も活用しましょう。赤みがある肌には、紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)タイプの日焼け止めがおすすめです。

室内の湿度を適切に保ちましょう。エアコンや暖房を使う季節は、加湿器を使って湿度を50〜60%程度に保ちます。湿度が低いと、肌の水分が蒸発しやすくなり、乾燥と赤みが悪化します。

気温差を避ける工夫も大切です。寒い屋外から暖かい室内に入る時、急激な気温差は血管を刺激し、赤みを悪化させます。マフラーやストールで顔を保護したり、室内の温度を調整したりして、気温差を緩和しましょう。

肌に触れる寝具は清潔に保ちましょう。枕カバーやシーツは週に1〜2回交換し、雑菌の繁殖を防ぎます。また、肌に優しい綿などの天然素材を選ぶと良いでしょう。

熱いシャワーを顔に直接かけないようにしましょう。熱いお湯は血管を拡張させ、赤みを悪化させます。洗顔は洗面器に溜めたぬるま湯か、手ですくって行います。

メイクは控えめにしましょう。赤みを隠そうとして厚塗りすると、肌に負担がかかります。肌に優しいミネラルファンデーションやBBクリームを薄く塗る程度にし、帰宅後は早めにメイクを落としましょう。

体の内側からのケア

睡眠をしっかり取りましょう。睡眠中に分泌される成長ホルモンが、肌の修復や再生を促進します。1日6〜8時間の睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを心がけましょう。

食生活も見直しましょう。肌の健康に良い栄養素を積極的に摂取することが大切です。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、オメガ3脂肪酸などは、肌の炎症を抑え、バリア機能を高める効果があります。

ビタミンAは、ニンジン、カボチャ、ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれています。ビタミンCは、柑橘類、キウイ、パプリカなどに豊富です。ビタミンEは、ナッツ類、アボカド、オリーブオイルなどに含まれています。

オメガ3脂肪酸は、サーモン、サバ、イワシなどの青魚に多く含まれており、炎症を抑える効果があります。週に2〜3回は魚を食べる習慣をつけましょう。

水分補給をこまめに行いましょう。体内の水分が不足すると、肌も乾燥しやすくなります。1日1.5〜2リットルの水を目安に、こまめに摂取しましょう。

アルコールやカフェインは控えめにしましょう。これらには利尿作用があり、体内の水分を減少させます。また、アルコールは血管を拡張させ、赤みを悪化させる可能性があります。

ストレス管理も重要です。ストレスは自律神経を乱し、血行不良や炎症を引き起こします。適度な運動、趣味の時間、リラックスできる時間を持つなど、ストレスを溜めない工夫をしましょう。

適度な運動を習慣にしましょう。運動によって血行が促進され、肌の新陳代謝も活発になります。ただし、激しい運動は一時的に顔が赤くなることがあるため、ウォーキングやヨガなど、適度な運動を選びましょう。

紫外線対策、室内環境の整備、バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理が、赤みを改善するための生活習慣です。

最後に、専門家に相談すべき症状についてお伝えします。

専門家に相談すべき症状

専門家に相談すべき症状は、赤みが広範囲に広がる、痛みやかゆみを伴う、適切なケアをしても改善しない、悪化し続ける場合です。

以下のような症状がある場合は、自己ケアだけでなく、早めに専門家に相談することをおすすめします。

赤みが広範囲に広がっている場合 顔全体や体にも赤みが広がっている場合は、単なる乾燥肌ではなく、アレルギー反応や感染症、全身性の疾患の可能性があります。

痛みやかゆみを伴う場合 赤みだけでなく、強い痛みやかゆみを伴う場合は、炎症が悪化している証拠です。早めの受診が必要です。

腫れや水ぶくれがある場合 赤みと共に腫れや水ぶくれが出ている場合は、重度の炎症やアレルギー反応、感染症の可能性があります。すぐに医療機関を受診してください。

適切なケアを2週間以上続けても改善しない場合 正しいスキンケアと生活習慣の改善を2週間以上続けても、赤みが改善しない、あるいは悪化している場合は、専門的な診断と治療が必要な可能性があります。

赤みがどんどん悪化している場合 ケアをしているのに、日に日に赤みが強くなる、範囲が広がるという場合は、早めに専門家に相談しましょう。

発熱や全身症状を伴う場合 顔の赤みと同時に、発熱、倦怠感、関節痛など全身症状がある場合は、感染症や自己免疫疾患の可能性があります。すぐに医療機関を受診してください。

特定のスキンケアアイテムで必ず赤みが出る場合 何を使っても赤みが出る、特定の成分でアレルギー反応が出るという場合は、パッチテストやアレルギー検査が必要かもしれません。

酒さや脂漏性皮膚炎の可能性がある場合 鼻や頬の赤みが慢性的に続く、毛細血管が目立つ、赤いブツブツができるなどの症状がある場合は、酒さの可能性があります。また、赤みと同時にフケのような皮むけがある場合は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。

ステロイド外用薬を使っていた場合 過去にステロイド外用薬を長期間使用していて、それを中止してから赤みが出た場合は、ステロイド酒さやリバウンドの可能性があります。

日常生活に支障が出ている場合 赤みがひどく、人前に出るのが嫌になる、外出したくないなど、日常生活に支障が出ている場合は、早めに専門家のサポートを受けることが大切です。

乾燥肌の赤みは、バリア機能の低下による炎症、刺激への過敏反応が原因です。低刺激で抗炎症成分と高保湿成分が配合されたスキンケアを選び、優しく洗い、摩擦を避け、保湿を重視しましょう。紫外線対策と生活習慣の改善も併せて行い、症状が改善しない場合は、ご相談ください。