顔がカサカサしたり、つっぱったりする乾燥肌に悩んでいるメンズは多いのではないでしょうか。
男性の肌は皮脂が多いイメージがあるため、まさか自分が乾燥肌だとは気づいていない方もいます。
しかし、間違った洗顔方法やスキンケア不足により、メンズの乾燥肌は年々増加しています。
適切な洗顔とケアを行うことで、肌の状態は大きく改善できます。
本記事では、男性特有の肌の特徴と乾燥肌に適した洗顔方法、そして正しいスキンケアをご紹介します。
メンズの乾燥肌の特徴とは?
メンズの乾燥肌の特徴は、皮脂が多いのに内側が乾燥している、髭剃りでダメージを受けやすい、そしてスキンケア習慣がないことです。
男性の肌は女性とは異なる特徴を持っており、それが乾燥肌になりやすい原因にもなっています。
男性の肌の特徴
男性の肌は、女性よりも皮脂分泌量が約2〜3倍多いと言われています。このため、顔がテカりやすく、脂性肌だと思い込んでいる方が多いです。しかし、実際には表面は皮脂でベタついているのに、内側は水分不足という「インナードライ」の状態になっていることが多くあります。
また、男性の肌は女性よりも約20〜30%厚いとされています。角質層が厚いため、一見丈夫そうに見えますが、水分保持能力は女性よりも低く、実は乾燥しやすい構造になっています。
男性ホルモンの影響で、毛穴が大きく開きやすいのも特徴です。毛穴が大きいと皮脂や汚れが溜まりやすく、適切なケアをしないと肌トラブルの原因となります。
さらに、男性の肌は女性よりも水分量が少ない傾向があります。これは男性ホルモンの影響や、スキンケア習慣の違いによるものです。水分量が少ないと、肌のバリア機能が低下し、外部刺激に弱くなります。
年齢とともに皮脂分泌量は減少しますが、水分量はさらに減少するため、40代以降は特に乾燥しやすくなります。若い頃は脂性肌だった方も、年齢とともに乾燥肌に変わることがあります。
乾燥肌になりやすい原因
髭剃りは、男性特有の乾燥肌の大きな原因です。毎日の髭剃りは、肌の表面を削り取る行為でもあり、肌のバリア機能を破壊します。特に、カミソリで深剃りをする方は、肌へのダメージが大きくなります。
洗浄力の強すぎる洗顔料の使用も問題です。「男は洗浄力が強い方が良い」という思い込みから、スクラブ入りや洗浄力の強い洗顔料を使っている方が多いですが、これが肌の必要な皮脂まで取り除き、乾燥を招きます。
洗顔後の保湿不足も大きな原因です。多くの男性は、洗顔後に何もつけない、または化粧水だけで終わらせています。これでは水分が蒸発してしまい、乾燥が悪化します。
熱いお湯での洗顔も乾燥の原因となります。シャワーの熱いお湯で顔を洗う習慣がある方は、肌の必要な皮脂が流されてしまい、乾燥しやすくなります。
紫外線対策をしていないことも問題です。日焼け止めを使わない男性が多いですが、紫外線は肌のバリア機能を低下させ、乾燥を悪化させます。
また、生活習慣の乱れも影響します。睡眠不足、偏った食事、ストレス、喫煙、過度な飲酒などは、すべて肌の乾燥を悪化させる要因です。
皮脂が多いのに内側が乾燥し、髭剃りでダメージを受けやすく、スキンケア習慣がないことが、メンズの乾燥肌の主な特徴です。
では、メンズの乾燥肌向け洗顔料の選び方を見ていきましょう。
メンズの乾燥肌向け洗顔料の選び方
メンズの乾燥肌向け洗顔料の選び方は、洗浄力が強すぎないマイルドなタイプ、保湿成分が配合されたもの、低刺激タイプを選ぶことです。
「男性用」という表示にとらわれず、自分の肌状態に合ったものを選ぶことが大切です。
避けるべき洗顔料
スクラブ入りの洗顔料は避けましょう。スクラブの粒子が肌を傷つけ、乾燥を悪化させます。「洗った感」を得られるため人気がありますが、乾燥肌には適していません。
メントールやアルコールが大量に配合されたものも避けるべきです。これらは使用後にさっぱり感がありますが、肌を乾燥させる原因となります。「爽快感」をウリにした製品には注意が必要です。
洗浄力が非常に強い石鹸タイプも、乾燥肌には向きません。固形石鹸は洗浄力が強く、必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
また、香りの強い洗顔料も避けた方が良いでしょう。香料は肌への刺激となることがあり、乾燥肌には負担になります。
「オイリー肌用」「脂性肌用」と表示されているものも避けましょう。これらは皮脂をしっかり落とすために洗浄力が強く設定されているため、乾燥肌には刺激が強すぎます。
選ぶべき洗顔料の特徴
洗浄力がマイルドなアミノ酸系の洗顔料がおすすめです。アミノ酸系は肌と同じ弱酸性で、必要な皮脂を残しながら汚れを落とせます。
保湿成分が配合されているものを選びましょう。セラミド、ヒアルロン酸、グリセリン、コラーゲンなどの保湿成分が含まれていると、洗顔しながら保湿もできます。
低刺激で無香料、無着色、アルコールフリーの製品を選ぶと安心です。これらは肌への負担が少なく、乾燥肌でも安心して使えます。
泡立ちの良いものを選びましょう。泡立てネットを使えば簡単に濃密な泡が作れますが、最初から泡で出てくるタイプも便利です。
「乾燥肌用」「敏感肌用」と表示されているものは、乾燥肌に適していることが多いです。女性用として販売されているものでも、成分が良ければ問題ありません。
医薬部外品や薬用タイプで、抗炎症成分が配合されているものもおすすめです。グリチルリチン酸2Kなどの成分は、肌荒れを防ぎながら洗顔できます。
価格だけで選ばず、成分表示を確認することが大切です。高価だから良い、安いから悪いというわけではなく、自分の肌に合った成分が含まれているかを確認しましょう。
洗浄力が強すぎず、保湿成分が配合され、低刺激のタイプを選ぶことが、メンズの乾燥肌向け洗顔料の選び方です。
次に、メンズの正しい洗顔方法を見ていきましょう。
メンズの正しい洗顔方法
メンズの正しい洗顔方法は、しっかり泡立てて優しく洗う、ぬるま湯ですすぐ、そして洗顔後は必ず保湿することです。
「男だから」とゴシゴシ洗ったり、熱いお湯を使ったりするのは、肌にとって良くありません。
洗顔の手順
まず手を洗って清潔にします。手が汚れた状態で洗顔すると、雑菌を顔に広げることになります。
ぬるま湯(32〜34度程度)で顔を濡らします。シャワーの熱いお湯を直接顔にかけるのは避け、洗面器に溜めたぬるま湯か、手ですくって顔を濡らしましょう。
洗顔料をしっかり泡立てます。泡立てネットを使うと、簡単に濃密な泡が作れます。手のひらいっぱいの泡ができるまで泡立てましょう。泡が少ないと、摩擦で肌を傷つけます。
泡を顔に乗せ、泡で洗うイメージで優しく洗います。皮脂が多いTゾーン(額、鼻)から洗い始めます。
次に頬、最後に目元や口元を洗います。目元や口元は乾燥しやすいので、泡を乗せる程度で十分です。
洗う時は、指の腹を使って円を描くように優しく動かします。ゴシゴシこすらず、泡を肌の上で転がすようなイメージです。
洗顔時間は1分以内に抑えましょう。長時間洗うと、必要な皮脂まで取り除いてしまいます。
すすぎは30回以上、しっかり行います。洗顔料が肌に残ると、肌トラブルの原因となります。特に、髪の生え際、フェイスライン、小鼻の周りは洗い残しが多い部位なので念入りにすすぎましょう。
すすぎもぬるま湯で行います。熱いお湯は絶対に使わないでください。
タオルで拭く際は、清潔で柔らかいタオルを使い、押さえるように水分を取ります。ゴシゴシこすると肌を傷つけます。
髭剃り時の注意点
髭剃りは、洗顔後の肌が柔らかくなった状態で行うのが理想的です。硬い髭を無理に剃ろうとすると、肌へのダメージが大きくなります。
シェービング剤は必ず使いましょう。何もつけずに剃る「から剃り」は、肌に大きなダメージを与えます。シェービングフォームやジェルで、肌と刃の間にクッションを作ります。
カミソリは清潔で切れ味の良いものを使います。刃が古くなったら、すぐに交換しましょう。切れ味の悪い刃は、肌を引っ張って傷つけます。
髭の生えている方向に沿って剃る「順剃り」を基本とします。逆剃りは深剃りできますが、肌へのダメージが大きいため、乾燥肌の方は避けた方が良いでしょう。
髭剃り後は、必ず保湿します。髭剃り直後の肌は非常に敏感な状態なので、アフターシェーブローションやクリームで保湿とケアを行いましょう。アルコール成分の強いものは避け、保湿成分が豊富なものを選びます。
電気シェーバーの方が、カミソリよりも肌への負担は少ないです。ただし、電気シェーバーでも肌に押し付けすぎないよう注意しましょう。
泡立てて優しく洗い、ぬるま湯ですすぎ、髭剃りにも注意を払うことが、メンズの正しい洗顔方法です。
それでは、洗顔後のスキンケアについて見ていきましょう。
洗顔後のスキンケア
洗顔後のスキンケアは、化粧水で水分を補給し、乳液やクリームで蓋をすることが必須で、メンズ用でなくても良いため、継続が大切です。
多くの男性が省略しがちなステップですが、洗顔後の保湿は乾燥肌対策に最も重要です。
化粧水と乳液の使い方
洗顔後はすぐに化粧水を使います。洗顔直後から肌の水分は蒸発し始めるため、できるだけ早く化粧水で水分を補給しましょう。タオルで顔を拭いたら、すぐに化粧水をつける習慣をつけます。
化粧水は、適量を手のひらに取り、両手で温めます。温めることで、肌になじみやすくなります。
顔全体に優しく押し当てるようになじませます。パチパチと叩くパッティングは、肌に刺激を与えるため避けましょう。手のひら全体で顔を包み込むように、優しく押さえます。
一度では足りない場合は、2〜3回重ね付けします。特に乾燥しやすい頬や目元は、重点的に水分を補給しましょう。
化粧水だけで終わらせず、必ず乳液やクリームを使います。これが最も重要なポイントです。化粧水で水分を与えても、油分で蓋をしなければ、水分はすぐに蒸発してしまいます。
乳液やクリームも、適量を手のひらで温めてから使います。顔全体に優しく伸ばし、特に乾燥しやすい部分には重ね塗りします。
ベタつきが気になる方は、ジェルタイプやさっぱりタイプの乳液を選ぶと良いでしょう。また、Tゾーンは少なめに、頬や目元は多めに塗るなど、部位によって量を調整するのも効果的です。
朝のスキンケアでは、最後に日焼け止めを塗りましょう。紫外線は乾燥の大きな原因となるため、外出する日は必ず日焼け止めを使います。
スキンケア習慣の作り方
最初は面倒に感じるかもしれませんが、習慣化すれば自然に続けられます。洗顔料、化粧水、乳液を洗面所の見える場所に置き、忘れないようにしましょう。
「洗顔したら化粧水と乳液」というセットで覚えることが大切です。歯磨きと同じように、毎日のルーティンに組み込みましょう。
時間がない朝は、オールインワンタイプのスキンケアアイテムを使うのも良い方法です。化粧水と乳液の機能が一つになったアイテムなら、時間を短縮できます。
パートナーや家族と一緒にスキンケアをするのもおすすめです。一緒に行うことで、継続しやすくなります。
肌の変化を実感することも、継続のモチベーションになります。スマートフォンで定期的に肌の写真を撮り、変化を記録すると良いでしょう。
メンズ用である必要はありません。女性用として販売されているものでも、成分が良ければ問題なく使えます。むしろ、女性用の方が保湿力が高いものが多いです。
化粧水と乳液で必ず保湿し、メンズ用にこだわらず、継続することが、洗顔後のスキンケアで最も重要です。
最後に、専門家に相談すべき症状についてお伝えします。
専門家に相談すべき症状
専門家に相談すべき症状は、適切なケアをしても改善しない、髭剃り負けがひどい、肌荒れや赤みが続く場合です。
以下のような症状がある場合は、自己ケアだけでなく、早めに専門家に相談することをおすすめします。
適切な洗顔とスキンケアを続けても改善しない場合 正しい洗顔方法とスキンケアを2週間以上続けても、乾燥が改善しない、あるいは悪化している場合は、専門的な診断と治療が必要な可能性があります。
髭剃り負けがひどく、血が出たり傷ができたりする場合 毎回髭剃りで肌が傷つく、血が出る、かさぶたができるという場合は、髭剃りの方法や道具を見直す必要があります。専門家に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
かゆみや赤み、ヒリヒリ感が続く場合 乾燥だけでなく、かゆみ、赤み、ヒリヒリ感などが続く場合は、敏感肌、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患の可能性があります。
皮がむけたり、粉を吹いたりする場合 極度の乾燥で皮がむける、粉を吹くような状態の場合は、医療用の保湿剤や治療が必要かもしれません。
ニキビや吹き出物が増えた場合 スキンケアを始めてからニキビや吹き出物が増えた場合は、使用しているアイテムが肌に合っていない可能性があります。
季節を問わず一年中乾燥がひどい場合 冬場だけでなく、一年中ひどい乾燥に悩まされている場合は、体質的な問題や内臓の不調が関係している可能性があります。
他の体調不良も伴う場合 肌の乾燥と同時に、疲労感、体重の変化、便秘など、他の体調不良がある場合は、全身性の病気が隠れている可能性があります。
市販のスキンケアアイテムで肌荒れが起きる場合 複数の市販品を試しても、どれを使っても肌荒れが起きる場合は、何らかのアレルギーや過敏症の可能性があります。
仕事や日常生活に支障が出ている場合 乾燥や肌荒れがひどく、人前に出るのが嫌になる、仕事に集中できないなど、日常生活に支障が出ている場合は、早めに専門家のサポートを受けることが大切です。
メンズの乾燥肌の特徴は、皮脂が多いのに内側が乾燥し、髭剃りでダメージを受けやすく、スキンケア習慣がないことです。洗浄力が強すぎず保湿成分配合の洗顔料を選び、泡立てて優しく洗い、洗顔後は化粧水と乳液で必ず保湿しましょう。症状が改善しない場合は、ご相談ください。





