乾燥肌で悩んでいる方の中には、シャワーだけで済ませた方が良いのではないかと考える方もいるでしょう。
湯船に浸かると肌の乾燥が悪化すると感じ、流すだけにしている方も多いのではないでしょうか。
実際、それぞれでは、乾燥肌への影響が異なります。
ただし、湯舟につからないのもメリットとデメリットがあり、浴び方次第で肌への影響が大きく変わります。
本記事では、乾燥肌にシャワーだけは良いのか、湯船との違い、そして正しいシャワーの浴び方をご紹介します。
乾燥肌にシャワーだけは良いの?
乾燥肌にシャワーだけは、肌への負担を減らせるメリットがある一方、血行促進やリラックス効果が得られないデメリットもあり、浴び方次第で影響が変わります。
シャワーだけで済ませることの良い点と悪い点を理解することが大切です。
シャワーだけのメリット
入浴時間が短くなることが最大のメリットです。湯船に浸かる場合、10〜15分以上お湯に浸かることが多いですが、シャワーだけなら5〜10分程度で済みます。長時間お湯に浸かると、肌の保湿成分が流出しやすくなるため、短時間で済むシャワーは肌への負担が少ないです。
肌のセラミドやNMF(天然保湿因子)の流出を抑えられます。湯船に長く浸かると、角質層がふやけて、これらの保湿成分が溶け出してしまいます。シャワーだけなら、この流出を最小限に抑えられます。
必要な皮脂を残しやすいこともメリットです。湯船のお湯は全身を包み込むため、皮脂が溶け出しやすくなります。シャワーは局所的にお湯がかかるだけなので、比較的皮脂を残しやすいです。
体温の上昇を抑えられることも利点です。体温が上がりすぎると、入浴後に体温が下がる際に、肌の水分も一緒に蒸発してしまいます。シャワーだけなら、体温の上昇が緩やかで、入浴後の水分蒸発も抑えられます。
時間の節約にもなります。忙しい朝や疲れている夜に、短時間で済ませられることは大きな利点です。
光熱費の節約にもつながります。湯船にお湯を溜める必要がないため、水道代やガス代を抑えられます。
夏場は特に快適です。暑い季節に湯船に浸かるのは苦痛ですが、シャワーだけなら爽快感があり、体も清潔に保てます。
シャワーだけのデメリット
血行促進の効果が得られにくいことが最大のデメリットです。温かい湯船に浸かることで、血管が拡張し、血行が促進されます。血行が良くなると、肌に栄養や酸素が届きやすくなり、肌の健康が保たれます。シャワーだけでは、この効果が十分に得られません。
体が十分に温まらないことも問題です。特に冬場は、シャワーだけでは体の芯まで温まらず、すぐに冷えてしまいます。体の冷えは、血行不良を招き、肌の乾燥を悪化させます。
リラックス効果が少ないこともデメリットです。温かい湯船に浸かることで、副交感神経が優位になり、心身がリラックスします。このリラックス効果は、ストレス軽減や睡眠の質の向上につながります。シャワーだけでは、この効果が得られにくいです。
疲労回復の効果も弱くなります。湯船に浸かることで、筋肉の緊張がほぐれ、疲労物質が排出されやすくなります。シャワーだけでは、疲労回復の効果が限定的です。
冷え性の方には向きません。体が温まらないため、冷え性が改善されず、むしろ悪化する可能性があります。
睡眠の質への影響もあります。入浴による体温の上昇と下降のリズムが、睡眠の質を高めます。シャワーだけでは、このリズムが作りにくく、睡眠の質が下がることがあります。
肌への負担を減らせるメリットがある一方、血行促進やリラックス効果が得られないデメリットもあります。
では、シャワーと湯船の乾燥肌への影響の違いを詳しく見ていきましょう。
シャワーと湯船の乾燥肌への影響の違い
シャワーと湯船の乾燥肌への影響の違いは、シャワーは短時間で肌への負担が少ない一方、湯船は長時間浸かることで保湿成分が流出しやすいことです。
それぞれの特徴を理解することで、自分に合った入浴方法を選べます。
シャワーの特徴と肌への影響
シャワーは、局所的にお湯がかかるだけなので、肌全体がお湯に浸かることはありません。そのため、角質層がふやける時間が短く、保湿成分の流出が比較的少ないです。
入浴時間が短いことも特徴です。通常、シャワーは5〜10分程度で済むため、肌がお湯にさらされる時間が短く、乾燥のリスクが低くなります。
ただし、シャワーの水圧が強いと、肌への刺激となります。特に、高温で高圧のシャワーを直接肌に当て続けると、肌のバリア機能が破壊される可能性があります。
シャワーヘッドの種類も影響します。節水タイプや水圧が強いタイプは、肌への刺激が強くなることがあります。柔らかい水流のものを選ぶと、肌に優しいです。
シャワーだけの場合、体の一部だけが温まり、全身が均一に温まりにくいです。そのため、血行促進の効果が限定的になります。
また、シャワーを浴びる時間が長くなると、湯船に浸かるのと同じくらい肌が乾燥することがあります。15分以上シャワーを浴び続けると、肌の保湿成分が流出してしまいます。
シャワーの温度が高すぎると、短時間でも肌の乾燥を引き起こします。42度以上の熱いシャワーは、必要な皮脂を溶かして洗い流してしまいます。
湯船の特徴と肌への影響
湯船は、全身がお湯に浸かるため、体全体が均一に温まります。血管が拡張し、血行が促進されるため、肌に栄養や酸素が届きやすくなります。
また、温かい湯船に浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。ストレスが軽減されると、肌の状態も改善しやすくなります。
浮力による筋肉の弛緩も湯船の特徴です。水中では体重が軽くなり、筋肉の緊張がほぐれます。これにより、血行がさらに促進されます。
一方で、長時間お湯に浸かると、角質層がふやけてしまいます。ふやけた角質層からは、セラミドやNMFなどの保湿成分が流出しやすくなります。
特に、42度以上の熱いお湯に長時間浸かると、肌のバリア機能が著しく低下します。必要な皮脂も溶け出してしまい、入浴後に肌が急激に乾燥します。
20分以上の長風呂は、乾燥肌には向きません。保湿成分の流出が進み、入浴前よりも肌が乾燥する「過乾燥」という状態になることがあります。
また、湯船のお湯が汚れていると、肌への刺激となります。家族で順番に入る場合、後の人ほど汚れたお湯に浸かることになるため、肌に負担がかかります。
入浴剤を使うことで、湯船のデメリットを軽減できます。保湿成分が配合された入浴剤を使えば、入浴中の乾燥を防ぎ、保湿効果も得られます。
シャワーは短時間で負担が少なく、湯船は長時間浸かることで保湿成分が流出しやすいという違いがあります。
次に、乾燥肌のための正しいシャワーの浴び方を見ていきましょう。
乾燥肌のための正しいシャワーの浴び方
乾燥肌のための正しいシャワーの浴び方は、温度を38〜40度に設定し、5〜10分以内に済ませ、直接肌に強く当てず、優しく洗うことです。
これらのポイントを守ることで、乾燥肌を悪化させずにシャワーを浴びられます。
温度と時間の設定
シャワーの温度は、38〜40度が理想です。体温より少し高い程度で、触って「ぬるい」と感じるくらいが適温です。熱いと感じる温度は避けましょう。
42度以上の熱いシャワーは、必要な皮脂を溶かして洗い流してしまいます。特に冬場は熱いシャワーを浴びたくなりますが、肌のためには我慢が必要です。
シャワーの時間は、5〜10分以内に抑えます。体を洗う時間を含めて、できるだけ短時間で済ませることが大切です。
15分以上シャワーを浴び続けると、湯船に浸かるのと同じくらい肌の保湿成分が流出します。特に、シャワーを浴びながら髪を洗う、体を洗うという方は、時間が長くなりがちなので注意しましょう。
冬場は、浴室を事前に温めておくことで、ぬるめのシャワーでも快適に浴びられます。浴室暖房がない場合は、シャワーを出して浴室を暖めてから入りましょう。
夏場は、さらにぬるめ(36〜38度程度)でも良いです。暑い季節は、ぬるめのシャワーの方が爽快感があります。
水圧は弱めに設定します。強い水圧は、肌への刺激となり、バリア機能を傷つける可能性があります。
浴び方と洗い方のポイント
シャワーを直接肌に強く当て続けないようにします。特に、顔や胸、背中などの敏感な部位には、直接強く当てないようにしましょう。
顔は、シャワーを直接当てないことが理想です。洗面器にぬるま湯を溜めて、手ですくって洗顔する方が肌に優しいです。どうしてもシャワーで流したい場合は、水圧を弱めにし、32〜34度程度のぬるま湯にします。
体を洗う際は、柔らかいタオルか手のひらで洗います。ナイロンタオルやスポンジは使わず、泡で優しく洗いましょう。
ボディソープは、低刺激でマイルドなタイプを選びます。アミノ酸系や保湿成分が配合されたものがおすすめです。固形石鹸を使う場合も、マイルドなタイプを選びましょう。
ボディソープはしっかり泡立てます。泡立てネットを使い、濃密な泡を作りましょう。泡が少ないと摩擦が増え、肌を傷つけます。
全身を毎日洗う必要はありません。皮脂が少ない部位(腕、すね、太もも)は、お湯で流すだけでも十分です。汚れやすい部位(首、胸、背中、脇、股間)だけを洗いましょう。
すすぎはしっかり行います。ボディソープが肌に残らないよう、念入りにすすぎましょう。特に、首の後ろ、背中、脇の下はすすぎ残しが多い部位です。
髪を洗う際も注意が必要です。シャンプーやリンスが体に流れてくると、肌への刺激となります。髪を洗った後、体をもう一度軽くすすぐと良いでしょう。
シャワーの最後は、ややぬるめのお湯で全身を流します。これにより、肌への刺激を和らげ、体温の急激な上昇を防げます。
温度38〜40度、時間5〜10分以内、直接強く当てず、優しく洗うことが、乾燥肌のための正しいシャワーの浴び方です。
それでは、シャワーだけで済ませる際のケアポイントを見ていきましょう。
シャワーだけで済ませる際のケアポイント
シャワーだけで済ませる際のケアポイントは、浴室を事前に温める、シャワー後すぐに保湿する、そして血行促進の工夫をすることです。
シャワーだけのデメリットを補うための工夫が大切です。
シャワー前後の工夫
浴室を事前に温めることが重要です。冬場は特に、寒い浴室でシャワーを浴びると、体が十分に温まらず、冷えてしまいます。浴室暖房を使うか、シャワーを出して浴室を暖めてから入りましょう。
脱衣所も暖めておくと良いです。暖かい浴室から寒い脱衣所に出ると、急激な温度変化で肌の乾燥が悪化します。暖房器具を使って、脱衣所も暖めておきましょう。
シャワー前に軽いストレッチをすることも効果的です。体を動かすことで、血行が促進され、シャワーの温熱効果が高まります。
シャワー中に足湯をするのも一つの方法です。洗面器にお湯を入れて、シャワーを浴びながら足を温めることで、全身の血行が促進されます。
シャワー後は、すぐにタオルで水分を拭き取ります。ゴシゴシこすらず、押さえるように拭きましょう。濡れたままでいると、水分の蒸発と共に肌の水分も奪われます。
タオルは柔らかく、吸水性の良いものを使います。硬いタオルは肌を傷つけるため避けましょう。
シャワー後は、浴室内で軽く体を拭き、すぐに保湿することが理想的です。浴室の湿度が高いうちに保湿することで、肌の水分蒸発を防げます。
保湿と血行促進の方法
シャワー後の保湿は、5分以内に行います。シャワー直後から肌の水分は急速に蒸発し始めるため、できるだけ早く保湿することが重要です。
全身にボディクリームやボディオイルを塗ります。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合されたものを選びましょう。
特に乾燥しやすい部位(すね、肘、かかと、手)には、重ね塗りします。これらの部位は、皮脂腺が少なく、非常に乾燥しやすいです。
顔も同様に、化粧水と乳液・クリームでしっかり保湿します。シャワー後の保湿を怠ると、入浴前よりも乾燥が悪化する「過乾燥」という状態になります。
血行促進のために、シャワー後に軽いマッサージをするのも効果的です。ボディクリームを塗る際に、下から上に向かって優しくマッサージすることで、血行が促進されます。
足湯を追加で行うこともおすすめです。シャワーだけでは体が温まりにくいため、シャワー後に10〜15分程度足湯をすることで、全身の血行が促進されます。
温かい飲み物を飲むことも有効です。シャワー後に白湯や温かいハーブティーを飲むことで、体の内側から温まります。
ストレッチや軽い運動も血行促進に効果的です。シャワー後に簡単なストレッチを行うことで、血行が良くなり、体も温まります。
睡眠の質を高めるために、シャワーのタイミングも考慮しましょう。就寝の1〜2時間前にシャワーを浴びることで、体温のリズムが整い、睡眠の質が向上します。
週に2〜3回は湯船に浸かることも検討しましょう。毎日シャワーだけにするのではなく、週に数回は湯船に浸かることで、血行促進とリラックス効果が得られます。ただし、湯船に浸かる際は、ぬるめのお湯(38〜40度)で、10〜15分程度に抑えましょう。
浴室を温め、シャワー後すぐに保湿し、血行促進の工夫をすることが、シャワーだけで済ませる際のケアポイントです。
最後に、専門家に相談すべき症状についてお伝えします。
専門家に相談すべき症状
専門家に相談すべき症状は、シャワー後の乾燥やかゆみがひどい、適切な方法でシャワーを浴びても改善しない、冷えが強く体調不良がある場合です。
以下のような症状がある場合は、自己ケアだけでなく、早めに専門家に相談することをおすすめします。
シャワー後に強いかゆみや痛みがある場合 シャワーを浴びた後に我慢できないほどのかゆみ、ヒリヒリする、痛みがあるという場合は、肌のバリア機能が著しく低下している可能性があります。
皮がむける、ひび割れる場合 シャワー後に皮がむける、ひび割れて出血する、粉を大量に吹くという場合は、極度の乾燥状態です。医療用の保湿剤や治療が必要かもしれません。
赤みや湿疹がある場合 乾燥だけでなく、赤みや湿疹、腫れなどがある場合は、単なる乾燥肌ではなく、皮膚疾患の可能性があります。アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などが考えられます。
適切な方法でシャワーを浴びても改善しない場合 ぬるめのお湯、短時間、優しく洗う、シャワー後の保湿を2週間以上続けても改善が見られない場合は、他の原因がある可能性があります。
冷え性がひどく、体調不良がある場合 シャワーだけにしてから、冷えがひどくなった、体調が悪くなったという場合は、湯船に浸かる必要があるかもしれません。専門家に相談しましょう。
全身の乾燥がひどい場合 顔だけでなく、体全体が極度に乾燥している場合は、体質的な問題や内臓の不調が関係している可能性があります。
季節を問わず一年中症状がある場合 冬場だけでなく、一年中シャワー後の乾燥やかゆみに悩まされている場合は、生まれつきの乾燥肌体質や慢性的な皮膚疾患の可能性があります。
他の体調不良も伴う場合 肌の乾燥と同時に、疲労感、体重の変化、便秘、冷え、立ちくらみなど、他の体調不良がある場合は、甲状腺機能の異常など、全身性の病気が隠れている可能性があります。
入浴を避けることで生活に支障が出ている場合 シャワー後の乾燥やかゆみが怖くて、入浴を極端に避けている、清潔を保てないなど、日常生活に支障が出ている場合は、早めのサポートが必要です。
市販の保湿剤では効果が不十分な場合 市販のボディクリームを使っても効果が感じられない場合は、医療用の保湿剤の方が効果的かもしれません。ヘパリン類似物質やワセリンなどの処方を受けられます。
冷え性で悩んでいる場合 シャワーだけでは体が温まらず、冷え性に悩んでいる場合は、入浴方法について専門家に相談すると良いでしょう。湯船に浸かる頻度や方法についてアドバイスが受けられます。
睡眠の質が低下した場合 シャワーだけにしてから、睡眠の質が低下した、眠りが浅くなったという場合は、入浴方法を見直す必要があるかもしれません。
乾燥肌にシャワーだけは、肌への負担を減らせるメリットがある一方、血行促進やリラックス効果が得られないデメリットもあります。シャワーは短時間で負担が少なく、湯船は長時間で保湿成分が流出しやすいという違いがあります。温度38〜40度、時間5〜10分、直接強く当てず優しく洗い、シャワー後すぐに保湿することが重要です。症状が改善しない場合は、ご相談ください。





